2015年09月03日

つばめの子ツーちゃん 出逢いと別れ

少し前の出来事です。
友達の家にお線香をあげに尋ねていきました。相変わらず、ほぼ体温と同じなのでは?と思う猛暑の中玄関を開けようとすると、玄関スレスレのところに黒い塊が見えました。目が悪いので一瞬何なのかわからず、恐る恐る近づき見てみると小さな鳥の様でした。
全く動く様子はなく近づいても逃げようとするわけでもなく、余り鳥には触れたことが無いので少々緊張しましたが手のひらに乗せると小さな声で一瞬鳴き黄色いくちばしでツバメの子だと直ぐに分かりました。小さいですが、羽は生え揃っていますので巣立ちの時落ちてしまったか、親鳥と離れてしまったのかだと思い周りを見渡しましたが、それらしいものは全くなく、そこに置いて置くわけにもいかないと思い、家に連れて帰りました。
大人しいと言うよりも、その瞬間は分かりませんでしたが、後から思えば猛暑のせいもあり元気が無かったのだと分かります。
2人でインターネット検索しまくり、ツバメのご飯の与え方を見て色々やりましたが、一向に何も食べてくれません。ツバメは凄く大食かんだと書いてあるのに。
役所にも相談してみました。丁寧に教えてくれましたが、言い難そうにツバメは自分で飛んで行けないとどうすることも出来ない事を説明されました。公園に行ってツバメが飛んでいる方に放してみたり、巣がある近くに行ったりしましたが、やはり飛んで行きませんでした。それどころか、手のひらにいる時が一番安心しているかのように感じました。けれど最初よりどんどん弱ってきているのがはっきりわかりました。
私の人生の中でこんなにどうしたら良いのか悩んだことが、かつて何度あったでしょうか?
自分の力の無さにこれ程憤りを感じる事があったでしょうか。
私がツーちゃんに、してあげれる事は何だろうかと必死で考え悩んだ結果、決心しました。
それは、最期まで看取ってあげるという事でした。
どんなに母親が恋しかったでしょうか。そう思うと再び何とかならないかという感情か湧いてきますが、私達が母親のかわりにずっと一緒に居るからねと祈るような気持ちで頑張ってと声をかけました。
しかしツーちゃんはほとんど動くこともなく何十分かたったでしょうか、瞑っていた目を一瞬だけ8分程開き又閉じました。だんだんと今までかすかだった呼吸が深くなって、その時初めて苦しいのではと感じました。

そして数分後ハッキリと大きな息をして、今度は小さく息をして、瞳が開きながら静かに息を引き取りました。

私の手の中でとても静かに。
まぶたをそっと閉じてあげました。
溢れる涙でツバメのツーちゃんが霞んで見えないけれど、頑張ったね、ほんとに良く頑張ったね。と心から褒めてあげました。

とても短い出逢いだったけれど、何年も一緒にいた様な底知れない悲しみで一杯になりました。
最期一緒にいてくれてありがとう。ツーちゃん。
さよなら………。
今はうちのお庭に安らかに眠っています
つばめの子ツーちゃん  出逢いと別れ






Posted by poomo at 17:10│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
つばめの子ツーちゃん 出逢いと別れ
    コメント(0)